「よお、やっと会えたな」
「人間には見えないように小細工をしたつもりだったのだけど。術式のどこかに不具合があったのかしら」
 少女はぶつぶつと呟く。
「そして、貴方は誰?」
「へ、随分な挨拶じゃねえか。俺のことを忘れちまったのか」
 少女は眉間に皺を寄せる。
「貴方なんて知らないわ。きっと誰かのことと勘違いしているのよ」
「まさか。こんな近くに瓜二つの娘が何人もいてたまるかよ」
「昔より人間は多いんだもの。だから、一人くらい瓜二つの人が近くにいてもおかしくはなくてよ? 一応もう一度聞きますけれど、貴方は誰? 名乗りなさい」
 少女は少し語気を強めるが、坂上は気の抜けた表示で肩をすくめる。
「やなこった、教えてやらない。聞きたきゃ俺をのしてみろ」
「……いいでしょう。貴方に興味が出てきました。私はたまき。貴方を屈服させてその素性を吐かせてあげましょう」

「よお、やっと会えたな」
「人間には見えないように小細工をしたつもりだったのだけど。術式のどこかに不具合があったのかしら」
 少女はぶつぶつと呟く。
「そして、貴方は誰?」
「へ、随分な挨拶じゃねえか。俺のことを忘れちまったのか」
 少女は眉間に皺を寄せる。
「貴方なんて知らないわ。きっと誰かのことと勘違いしているのよ」
「まさか。こんな近くに瓜二つの娘が何人もいてたまるかよ」
「昔より人間は多いんだもの。だから、一人くらい瓜二つの人が近くにいてもおかしくはなくてよ? 一応もう一度聞きますけれど、貴方は誰? 名乗りなさい」
 少女は少し語気を強めるが、坂上は気の抜けた表示で肩をすくめる。
「やなこった、教えてやらない。聞きたきゃ俺をのしてみろ」
「……いいでしょう。貴方に興味が出てきました。私はたまき。貴方を屈服させてその素性を吐かせてあげましょう」

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