坂上は少女に追いつかれないよう全力で走っていたが、開けた場所に出た所で急に立ち止まって振り返った。すぐ後ろを走っていたたまきも同じく立ち止まって様子を窺っていた。
「随分と息が上がっているようだけど、大丈夫かしら」
 坂上は肩を激しく上下させ、汗を滴らせながらも口角を上げる。
「お前が猛スピードで追ってくるからだよ。ったく信じられねえ。もっと子供らしく可愛いスピードで走ってくれよ」
「そう。冗談を言うくらいには元気なようね」
「まあそういうことだ」
「でも理解に苦しむわ。何故こんな所に来たの?」
 たまきは周りを見回しながら言った。周りを竹に囲まれたその空き地は、祠がひっそりと鎮座している以外は特に何の変哲もない場所だった。
「……別に、なんとなくだ」
 坂上は俯いたが、すぐに顔を上げた。
「そう。貴方の思考が今いち読み取れないのだけど、まあいいわ。降参するなら今の内よ。おじさま」
 坂上はそれを聞いて不敵な笑みを浮かべる。
「へっ、来な。嬢ちゃんのか弱い攻撃なんていくらでも受け止めてやるからよ」
「……後悔しても知らないから」

 坂上は少女に追いつかれないよう全力で走っていたが、開けた場所に出た所で急に立ち止まって振り返った。すぐ後ろを走っていたたまきも同じく立ち止まって様子を窺っていた。
「随分と息が上がっているようだけど、大丈夫かしら」
 坂上は肩を激しく上下させ、汗を滴らせながらも口角を上げる。
「お前が猛スピードで追ってくるからだよ。ったく信じられねえ。もっと子供らしく可愛いスピードで走ってくれよ」
「そう。冗談を言うくらいには元気なようね」
「まあそういうことだ」
「でも理解に苦しむわ。何故こんな所に来たの?」
 たまきは周りを見回しながら言った。周りを竹に囲まれたその空き地は、祠がひっそりと鎮座している以外は特に何の変哲もない場所だった。
「……別に、なんとなくだ」
 坂上は俯いたが、すぐに顔を上げた。
「そう。貴方の思考が今いち読み取れないのだけど、まあいいわ。降参するなら今の内よ。おじさま」
 坂上はそれを聞いて不敵な笑みを浮かべる。
「へっ、来な。嬢ちゃんのか弱い攻撃なんていくらでも受け止めてやるからよ」
「……後悔しても知らないから」

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