望月はいつの間にか幾何学模様の札を地面に敷き、何かをぶつぶつと唱え始めた。
「ほお。すげえな」
 その詠唱に呼応するかのように次第にその建物の全容が明らかになっていった。
 そこには、坂上が話していたような石畳と石段、そして周囲を拒絶しているかの如き門があった。
「単純な結界よ。それも凄く原始的で細かな所が考慮されてないから、すぐに違和感に気付く。詰めが甘かったわね」
「むしろ、そんなに簡単に敗れるものなんだったら、罠だったりしないもんか?」
「その可能性も否定出来ない。でも、純粋に力が強いから破られることなんて考えてなかったのだと思うわ」
「いずれにしても他に道がないのですから、どんどん行きましょう。太さん、待ってますから」
 弓納が一足先に石段を駆け上っていった。

 望月はいつの間にか幾何学模様の札を地面に敷き、何かをぶつぶつと唱え始めた。
「ほお。すげえな」
 その詠唱に呼応するかのように次第にその建物の全容が明らかになっていった。
 そこには、坂上が話していたような石畳と石段、そして周囲を拒絶しているかの如き門があった。
「単純な結界よ。それも凄く原始的で細かな所が考慮されてないから、すぐに違和感に気付く。詰めが甘かったわね」
「むしろ、そんなに簡単に敗れるものなんだったら、罠だったりしないもんか?」
「その可能性も否定出来ない。でも、純粋に力が強いから破られることなんて考えてなかったのだと思うわ」
「いずれにしても他に道がないのですから、どんどん行きましょう。太さん、待ってますから」
 弓納が一足先に石段を駆け上っていった。

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