天野達の方へ放り投げ、たまきは広場に打ち付けられた。
「いっ!」
「たまき!」
「ふん、何が魔人だ。こうなってしまっては最早人形も同然だな。おっと、何処へ行こうとする、太君」
 太はキッと日井を睨む。
「何のつもりですか? 何でこんなことを」
「不思議なことを言う。君達はそこの可愛い人形を止めにきたんだろう? いや、止めておこう。あまり巫山戯て君の神経を逆撫でさせても仕方がない」
 日井の雰囲気が変わる。その目つきを見た太は、背筋が凍りつくのを感じた。
「貴方は一体……?」
「何者なのか、かね? それは知っての通りかと思うが」
「貴方の上辺の経歴を聞いているんじゃないのよ。本性というやつを知りたいの」
 望月が言うと、日井は望月の方を振り返る。
「そんなことを知ってどうする? まさか、それを言ったら君のその獲物を取り下げてくれるわけではあるまい」
「さて、どうかしらね」
「ふん、まあいい。教えてやろう」
 日井は苦笑する。
「……私は、今でこそ弓司庁などという組織に身を置いているが、元来そんな所にいられるような者ではない。何故か? 答えは簡単だ。それは私が大禍を振りまく忌まわしき一族の末裔だからだ」

 天野達の方へ放り投げ、たまきは広場に打ち付けられた。
「いっ!」
「たまき!」
「ふん、何が魔人だ。こうなってしまっては最早人形も同然だな。おっと、何処へ行こうとする、太君」
 太はキッと日井を睨む。
「何のつもりですか? 何でこんなことを」
「不思議なことを言う。君達はそこの可愛い人形を止めにきたんだろう? いや、止めておこう。あまり巫山戯て君の神経を逆撫でさせても仕方がない」
 日井の雰囲気が変わる。その目つきを見た太は、背筋が凍りつくのを感じた。
「貴方は一体……?」
「何者なのか、かね? それは知っての通りかと思うが」
「貴方の上辺の経歴を聞いているんじゃないのよ。本性というやつを知りたいの」
 望月が言うと、日井は望月の方を振り返る。
「そんなことを知ってどうする? まさか、それを言ったら君のその獲物を取り下げてくれるわけではあるまい」
「さて、どうかしらね」
「ふん、まあいい。教えてやろう」
 日井は苦笑する。
「……私は、今でこそ弓司庁などという組織に身を置いているが、元来そんな所にいられるような者ではない。何故か? 答えは簡単だ。それは私が大禍を振りまく忌まわしき一族の末裔だからだ」

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