柱の影から少女が現れた。まだ十二を数える程のその少女は銃口に怯える様子もなく、薄っすらと笑みを浮かべている。
「たまきと言います。以後お見知りおきを」
「子供?」
 望月は呆気にとられる。
「ふふ。さあ、どうなのでしょうね」
「望月、流石の俺でも分かる」
 天野は眉を顰めながら望月に語りかけた。
「ええ、そうね。こんな状況でお上品に笑っているのは異常よ。それに、さっき言っていた得体の知れない気配、この子から感じるわ」
「なるほどな。おい嬢ちゃん」
「何かしら、おじさま」
「おじさまじゃない。一先ずこの状況を詳しく説明してもらおうか」
「説明?」
「ああ、そうだ。一番気になるのは何故爺さんが倒れてるかだな。これは一体どういうことだ?」
「そうね、答えてあげましょう。そこのお爺ちゃんが倒れているのは私と争ったから」
「おい嬢ちゃん、悪い冗談はよしてくれ」
「冗談ではなくてよ、信じられないかしら。そうね、さっき私が言ったことに説得力が必要だというなら、証拠を見せましょう」
 少女は軽く跳躍して二階の手すりの上に乗る。
「しっかりと見ていてくださいましね?」

 柱の影から少女が現れた。まだ十二を数える程のその少女は銃口に怯える様子もなく、薄っすらと笑みを浮かべている。
「たまきと言います。以後お見知りおきを」
「子供?」
 望月は呆気にとられる。
「ふふ。さあ、どうなのでしょうね」
「望月、流石の俺でも分かる」
 天野は眉を顰めながら望月に語りかけた。
「ええ、そうね。こんな状況でお上品に笑っているのは異常よ。それに、さっき言っていた得体の知れない気配、この子から感じるわ」
「なるほどな。おい嬢ちゃん」
「何かしら、おじさま」
「おじさまじゃない。一先ずこの状況を詳しく説明してもらおうか」
「説明?」
「ああ、そうだ。一番気になるのは何故爺さんが倒れてるかだな。これは一体どういうことだ?」
「そうね、答えてあげましょう。そこのお爺ちゃんが倒れているのは私と争ったから」
「おい嬢ちゃん、悪い冗談はよしてくれ」
「冗談ではなくてよ、信じられないかしら。そうね、さっき私が言ったことに説得力が必要だというなら、証拠を見せましょう」
 少女は軽く跳躍して二階の手すりの上に乗る。
「しっかりと見ていてくださいましね?」

url(../../img/noimg.png)
false
p03