プロローグ 第三章:誘い

―― 菅原市郊外。学生支援施設、六松楼。

太「とほほ。まさかこんなことになるなんて」
宗像「済まないな。サークル関係者でもないのにこんなことなんかに付き合わせてしまって」
太「宗像さんのせいじゃありませんよ。まさか担当者が2人して病気になるなんてそうそうないことですから。それに」
宗像「それに?」
太「部には毎度ご迷惑をおかけしてますから」
宗像「ほうほう良いことを聞いた。そういうことなら、もう少しこき使っても文句ないな」
太「ははは。それとこれとは話は別で」
太(ああ、余計なこと言うんじゃなかった)
宗像「まあ冗談はさておき、ある程度目処は立ってきたしもう俺一人でも十分だ。お前はもう帰れ」
太「宗像さん、僕は別に大丈夫ですよ。ここなら立派な寝具、布団だってありますし」
宗像「いいや駄目だ」
太「なんででしょうか?」
宗像「元々これは俺が責任持ってやるべきものなんだ。だから、部員ではないお前がそこまですることはねえよ」
太「……分かりました。ところで今、お腹空いていませんか? コンビニで何か買ってくるくらいはしますよ」
宗像「ううむ、実は腹は減ってたんだ。すまん。さっきああ言った手前であれだが、少しだけお使いを頼まれてくれんか?」
太「ええ、なんなりと」
宗像「ありがとうよ。じゃあ、あー、こんな名前のエッチな本をー、あいてっ!」
太「飲み物はいつものように烏龍茶で、食べ物は何か適当に買ってきます」
宗像「ああ分かった分かった。それとお金」
太「了解です。では太一、行って参ります」
宗像「ああ、太。ちょっと待った」
太「なんですか」
宗像「……いや、なんでもない。最近物騒な話も多いからな。あまり変なことに首を突っ込むなよ」
太「ええ、もちろんです。では改めて行って参ります」