「ここですか」
「そうみたいだね」
 人気コーヒーチェーン店が入っている施設スペースの裏側、その一区画は黄色いテープで覆われていた。もう野次馬も調査すべきこともないためか、見張りの警官もおらず、いつも通りの閑散とした雰囲気が漂っている。
 弓納は人目を避けるようにテープの中に入っていき、太もそれに続く。
「なんか悪いことをしてる気分だね」
「ですね」
 テープの中は話に聞いていた通り、地面が大きく抉れている。およそ人が数人すっぽりと入れるくらいのその窪みに、太はひょいと飛び込む。
「太さん、どうですか?」
「う~ん、特に何もないみたい」
「そうですか」
 警察による調査が入っているとはいえ、見落としや"普通の人間では発見出来ないもの"がないかを期待していた。しかしそんな期待をあざ笑うかの如く、ここの窪みには傷痕が残されているのみであった。
 意味がないかもしれないとは思いつつ、弓納もその窪みに入ろうとした。

「ここですか」
「そうみたいだね」
 人気コーヒーチェーン店が入っている施設スペースの裏側、その一区画は黄色いテープで覆われていた。もう野次馬も調査すべきこともないためか、見張りの警官もおらず、いつも通りの閑散とした雰囲気が漂っている。
 弓納は人目を避けるようにテープの中に入っていき、太もそれに続く。
「なんか悪いことをしてる気分だね」
「ですね」
 テープの中は話に聞いていた通り、地面が大きく抉れている。およそ人が数人すっぽりと入れるくらいのその窪みに、太はひょいと飛び込む。
「太さん、どうですか?」
「う~ん、特に何もないみたい」
「そうですか」
 警察による調査が入っているとはいえ、見落としや"普通の人間では発見出来ないもの"がないかを期待していた。しかしそんな期待をあざ笑うかの如く、ここの窪みには傷痕が残されているのみであった。
 意味がないかもしれないとは思いつつ、弓納もその窪みに入ろうとした。

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