プロローグ 第六章:必然

ニャア

「あら駄目よ。きっとそれは彼の大事なものだから。そんなことをしては気を惹くどころか、かえって嫌われちゃうわ」
少女は猫を抱きかかえ、しなやかな手つきで頭を優しく撫でる。
「ふふ、中々上手くいかないものね」
少女は満足そうに微笑む。
「まあいいわ。次に機会があればまた会うこともあるでしょう。その時にでもじっくりとお話しましょう? 文士さん」

―― プロローグ 終わり