プロローグ 第五章:窮追

―― 宮町通り。

天野「……」
太(結構歩く速度が速いな。そんなせかせかした人には見えないのだけど。って、そんなことはいいや。それよりこの先は――)
北宮神社。相変わらず容赦のない階段が屹立している。
太(実は神主だったとかかな。いやそんなわけないか。なに、後を付いて行けば分かる筈だ)
太「……ん?」
階段前の鳥居をくぐったあたりで太は気付いた。
天野がいない。
太(おかしいな。さっきまで10メートルくらい前を歩いていた筈なのに)